40代です、体外受精を5回受けました。もう妊娠は無理かと思うのですが、諦めれらません。体外受精は何歳まで続けらますか?
一概に何歳まで、と言うことはできませんが、体外受精の年齢別出生率を一つの目安にしてはいかがでしょうか。また、不妊の経験を話したり、いろいろな生き方に接して見てください。何かが開けてくるかもしれません。
頭ではもう無理かな…と思っていても、心が諦めたくないと叫んでいる。そんな苦しさがあるのですね。まったく妊娠が不可能ならばともかく、わずかでも可能性が残されていると思うと、気持ちを切り替えていくのは容易なことではありませんね。そんな迷いの中で、排卵があっても「体外受精は○歳まで」と年齢で区切りをつけようとする人もいれば、採卵できる限りは続けたいという人もいます。人それぞれで答えはないようなものですが、年齢別に算出したARTなどの生殖補助技術の生産分娩率を見ることが一つの目安になると思います。
日本には40歳以上のARTの成績に関する全国統計がないので、アメリカのデータを見てみましょう。そ
れによると40歳では、刺激開始周期あたりの妊娠率は約23%、生産分娩率は約16%、単胎生産分娩率は約13%となっています。この数値は年齢が増すごとに低下し、43歳では妊娠率が約12%、生産分娩率・単胎生産分娩率はともに約6%、44歳を越えると妊娠率は5%、生産分娩率・単胎生産分娩率は約2%と報告されています(*)。生産分娩率が妊娠率の約半分に低下するのは、妊娠しても加齢とともに流産することが多くなるためです。このデータからは、44歳以上になると流産のリスクが高まり、出産はほとんど望めない状態であることがわかります。
4代で子どもを切実に望んでいる人にとっては、認めがたい厳しい現実ですね。通院中は妊娠を心から祈りながらも、このような限界も見据えなければなりません。
この時期には「産めなくてもいい、前向きに生きよう、治療はもうやめようと思えるときもあれば、将来が真っ暗になってしまうときもある」といった揺れる気持ちを抱える人が多いものです。不妊ホットラインではこれまでのつらかった不妊の経験を語り始める人もいます。繰り返される対話の中から、体外受精を続けるか否かについての答が自然と生まれてくることもあります。
しかし体外受精をやめる決心をしても、その後の人生がまったくイメージできないということから不安がつのってくることもあるでしょう。そんなときは子どもをもたない人生を歩んでいる人や養子を育てている人の経験を参考になさってはいかがでしょうか。不妊の悩みを軽くするために心理カウンセリングを活用したり、自助グループに入ってたくさんの仲間と経験を分かちあうことも力になると思います。
* CDC's 2002 ART National Summary in USA/荒木重雄・福田貴美子編著『体外受精ガイダンス
第二版』医学書院 2006