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トピックス第2回「男女の生活と意識に関する調査」
トピックス第1回「男女の生活と意識に関する調査」
日本で、ピルが普及しないワケ?!
ピルはどこまで普及したか 日本でも普及する兆し?! 「ピル」の今日事情
日本で、ピルが普及しないワケ?!

■どうして「ピル」にだけ、こんなに神経質なのか?

ピルダイヤルにはさまざまな相談が寄せられる。ピルと他の薬剤との相互作用に関する相談も多い。
原則的には抗結核薬など長期間の治療を要する薬剤との併用が問題であって、風邪薬との併用など短期間治療については心配に及ばない。不安であれば『7日間ルール』(心配な期間プラス7日間はピルを服用しながらもコンドームなど他の避妊法を併用すること)を使うように回答している。
日本人の薬剤への関心の高まりを感じるが、「ピル」に限ってなぜこれほどまでに神経質になるのかという気はする。

■ピルの副効用は知られているか?

一方、やっとピルの副効用についても知られてきたようだ。
ピルダイヤルでも「子宮内膜症で内服中だが、月経痛が軽くならない」(20歳)というような声も聞かれるようになってきた。ピルダイヤルでわざわざ言ってくれないが、クリニックでは「ピルを飲んだら月経痛が軽くなった」という声はよく聞く。
「ピルを中断したらニキビが気になりだした」(25歳)
「低用量ピルで内膜症を治したい」(42歳)
「月経不順を改善するためにピルを飲みたい」(24歳)
「旅行に行くのでピルで調節したい」(30歳)
「月経の時の痛みを緩和できると聞いたが・・」(21歳)

というような相談も増加しており、ピルの服用を考える女性たちの副効用への期待は膨らんでいるようだ。

■強調されすぎている副作用

強調されすぎている副作用 ピルダイヤルでは、漠然とした副作用への不安から、実際のピル服用による副作用、例えば「少量の出血が続く」とか「当初むかむかした」などを訴える声が増えている。これらマイナートラブルについては、その頻度が決して少なくないこと、特に少量の出血に不安になりピル服用を中止する人が多いことから、処方する医療機関での事前の情報提供が不可欠となっている。
しかし、ピルを処方されたときに渡される「服用者向け情報提供資料」には、医師などが手にする薬剤添付文書と変わらない、あるいはそれ以上の情報が満載されている。しかも、ピル服用に伴う副効用の記載はまったくなく、副作用情報ばかりが強調されている。
例えば「生命にかかわる重大な副作用としての血栓症」と関連づけて「ふくらはぎの痛み・むくみ・手足のしびれ、鋭い胸の痛み・・・」などが紹介されている。慎重さは必要だが、これでは、日常的な症状をつねにピルと結びつける可能性もあり、ピルにとってはきわめて不幸なことだと僕は思う。

■まず、ピルについて正しく知ろう

2001年6月に東京で開催された国際家族連盟医学委員会で「なぜ日本でピルが普及しないのか」という問いに、日本人記者たちは「雑誌や新聞記事のテーマ決定権を持つ編集長クラスの男性が、避妊に興味がない」「若者の活字離れが進み、ピルの記事を読む人が少ない」と答えたが、マスコミ関係者がそんなに消極的であってどうするのだという委員たちの思いが伝わってきた。
日本でピルが普及しない原因の一つは、副作用が強調される一方、副効用や利便性、避妊の確実性など、必要とされる情報が確実に伝わっていないことだ。マスコミや医療に携わる僕たちは正しい理解と認識のもとに、ピルに関する適切な情報を積極的に提供しなければならない。
そして、女性はもちろん、パートナーとなる男性にも正しい情報をキャッチして、ピルをしっかり知ってほしいと思うのだ。

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